安倍氏オフ&勉強会(5/27)参加レポ

午前中に雨は上がったものの蒸し暑さが残るその日(5/27)、客先での打ち合わせを終え久々に六本木(※正確には西麻布)に向かった。
安倍氏主宰のオフ会に参加のためだ。

昼間の世界から欲望に満ちた夜の顔に変貌する過程の黄昏時、六本木駅を降り、首都高速高架下の国道沿いをひたすら西へ下っていく。
右手が開けた場所から、やや中途半端に染まった夕焼けが見えた。

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指定場所は、西麻布交差点すぐ近くの西洋料理店。
ちょっと入り組んでいるが、入り口は明るく入りやすい店だった。

この日集合予定の8名のうち、すでに安倍氏はじめ半分は到着済みで、挨拶して着席するとほどなく残りの参加者も到着。
オフ会のスタートとなった。

 

◆参加メンバー
ちなみに、この日のメンバー。
 ・安倍氏(Webメディア編集長、男性)
 ・横江氏(国際政治アナリスト、女性)
 ・竹内氏(エネルギー政策研究者、女性)
 ・I氏 (某テレビ局経済部副部長、女性)
 ・O氏 (某雑誌編集長、男性)
 ・他NP民3名(※私を含む)
と、このメンバー構成を見て、既に自分が大きな勘違いをしていたことに気付いた(笑。
そう、「NPオフ会」に国際政治専門家の横江氏を呼んでお話を拝聴したり、語り合ったりするイメージとは、全く別物だったのだ。
そうではなく、安倍氏を中心とする内輪の会食勉強会に、何を勘違いしたか場違いなNP民数名が混入してしまったという表現が正しい。
さすがは安倍氏の人脈だと、勝手に感心することしきりであった。
それにしても、今回初対面の専門家4名はいずれも素晴らしい人ばかりだった。
NPプロピッカーは既に皆さんご存知の通りだが、某テレビ局の女史は、テレビ局報道局のマネージャーとはこういう人だろうなというイメージ通りの、頭の回転の速さとクリアーな人柄を兼ね備えた方だった。

 

◆横江氏のお話
さて、そんな戸惑いも他所に、要するに「仲間内」なので、容赦なく会合はスタート。
オフ会ではお決まりの参加者の自己紹介とか、ありません(笑。必要ないですね。
講師役の横江さんが、いきなり滔々と語り始める。
大体の骨子は、次の通り。

 ①トランプ旋風の背景、政治的土壌
   ※マイノリティ問題、アメリカ社会の世代交代、オバマの実績、アメリカ国家戦略の変貌等
 ②トランプの政治姿勢の特徴
   ※国土安保、企業経営思考の導入、冷戦終了への意識等
 ③日米安保の行方
  ・条約の意味変化、アメリカの役割変化、抑止力の強化等
 ④アメリカ社会の世代交代
  ・理想主義世代(ベビー・ブーマー)
  ・反発世代 (X世代)
  ・市民社会世代 (GI世代 ミレニアム世代(1980年―2000年誕生)
  ・順応世代 (サイレント世代 M世代の次) 

まあとにかく、日ごろから国際政治について考えているわけでもなく、もちろん知識もなく、まして政治分析手法等勉強したこともない自分は、正直言って話についていくだけで一杯いっぱい(笑。初っ端から、脳みそがオーバーヒートする寸前だった。
この内容は彼女の近著の骨子らしく、その関係で同内容の勉強会を最近頻繁に開催しているようで、横江さんの弁舌は勢いを増すばかり。
また、他メンバーがその話を、特段何の障壁もなくスムーズに理解している様子なのにも、(主に知的な面の)ショックとプレッシャーは増幅していく。
とはいえ、逆に言えば、色々と新しい視点を提供いただき、非常に勉強になった次第。

特に、横江さんオリジナルの分析ポイントは、④の世代論にあるようだ。
日本で報道を見ているだけだとわからないが、例えば、トランプのマイノリティ(※移民や性的少数者等)へのセンセーショナルな発言についても、上のような世代毎の特性によって全く受け止め方が異なる。
その世代構造やイニシアティブが大きく流動しているのだから、そこを見なければアメリカ政治の帰趨を予測するどころか、考えることもできない、というようなことだ。
このあたり、知見として以前に、政治分析のスタンスとして非常に勉強になった点だ。

 

◆会合の展開
というような横江さんの嵐のようなお話が20分くらいで一区切りし、そこからは雑談や参加者の話など緩やかな流れに移行するのかと油断したのも束の間、そうではなかった(笑。
どうもこの人たちには、こういう会合で「力を緩める」というような習慣はないらしい。
そう、横江さんの話を受けて、今度はメンバー側から続々と鋭い質問が繰り出され、それに対してまた横江さんが機関銃のような回答を応射するという、いわば身体の中の銃撃戦が、その後延々と2時間以上も続いたのだった。。。。ふう、、、

しかも、「銃撃戦」もやりながら、どんどん出されてくるスペイン料理?も着々と胃袋に収納し、ワイン、ビール等飲み放題のアルコールも確実に摂取していくという、稀有な技能を持った人たちだった。

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 そんな風にして瞬く間に時は過ぎ去り、7時に始まった会合も、いつしか10時をゆうに回っていた。
やっと最後だけは普通に、「写真でも撮りましょうか?」という話になって撮ったのがこの1枚。

少なくとも自分にとっては、稀に見る濃密な時間だったことだけは確かだ。
結果的に、参加者それぞれがどんな趣味を持つ人かとか、普通のオフ会で得られる情報は何も収集できていないが、それはまたチャンスもあるだろう。

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◆おわりに
今回の安倍氏オフ、結論として、個人的な満足度は非常に高い!
告知の際、いくつかのイベントの案内が重なったこともあるが、なぜNP民の諸君はこんな付加価値の高いオフに手を挙げないのかな?
大きなお世話だが、日常の習慣から一歩踏み出すスタンスは、常に大事ですよ!
それがまた、NP上でのコメントの充実にもつながります(笑。

最後に、会の主催運営だけでなく、色々とお気遣い頂いた安倍さん、横江講師はじめ参加された皆さん、楽しく充実したひと時を、ありがとうございました。

NP5月16日公開イベントって、どうなった?

去る5月6日、「ユーザーとの対話」を掲げてNP社から大々的に告知された公開イベント、その後なんの音沙汰もないが、どうなっているのか?

newspicks.com

 

既に週明け月曜日に迫っているが、参加申し込みをしたにも関わらず、何の連絡も告知も行われていない。

申し込んだ者はスケジュールを押さえているわけだから、常識的には一週間程度前までに連絡があってしかるべきだと思うのだが。

 

 

 

熊本復旧ボランティア記

 

4/28~29にかけて、NP上で呼びかけを行った熊本への復旧支援に行ってきた。
※熊本オフ最終呼びかけ記事
https://newspicks.com/news/1523341?ref=user_713126

すでに、現地での一連の経過については、nekogusuさんがレポートをアップしてくれている。
※熊本ボランティア・オフ会レポート
https://newspicks.com/news/1530385?ref=search&keyword=田添&tab=news

そこで、ここでは、29日に行った復旧支援ボランティア活動を中心に、少し掘り下げて報告しておきたい。

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 ※支援先のお宅から見えた、熊本の綺麗な山並み。

阪神大震災の記憶】
1995年は、年初から慌ただしい年だった。
年が明けると、阪神大震災が起こった。
テレビ等で報じられる光景から、大災害であることはすぐに分かった。
直ちに国を挙げての救難支援が行われると共に、その後は、全国から多くの人が現地へ食料や水を抱えて親戚や友人の支援に向かった。
実は、この時のことは、私にとってはやや苦い思い出である。
震災での被害が深刻だった兵庫県尼崎市に、学生の頃とてもお世話になって遠い親戚があったのだ。
しかし、私はこの時、ちょうど勤めていたメーカーを辞めて転職する時期に掛かっていて、身辺が慌ただしかった。
そうして「行こう、行こう」と思っているうちに、時期を失してしまった。
そうするうちに、3月には東京で地下鉄サリン事件が起こった。
当時千代田線を頻繁に利用していた私は、数本の違いで、危うく巻き込まれるところだった。
やがて、阪神大震災のことは、私の心から遠ざかっていった。

 

東日本大震災の発生】
時は下って、2011年。
既に自分の会社を創業して5年目の年、仕事の受注に直接の影響を受け、苦い思いでいっぱいの年になった。
ただ、3月の震災発生直後から、東北への支援ボランティア行きを模索した。
阪神の時のような悔いを残したくないと、すぐに思ったからだ。
幸い、当時社会福祉協議会の全国組織である全国社会福祉協議会(全社協)での仕事を引き受けており、そこの担当者の方から、ボランティア参加にあたっての情報を色々と聞くことができた。
ネットを通じて日々情報収集するうちに、地元の中野区社会福祉協議会が、宮城県へのボランティア参加者を募集していることを知り、迷わず申し込んだ。
なんと、交通費、宿泊費共すべて社会福祉協議会が負担してくれる。もっとも、宿泊はテントだが(笑。
宮城県亘理町という、震災がなければ山と海の景色が素晴らしい街に、3泊4日で行くことになった。
季節は震災発生から1か月後の4月中旬。亘理町では、ちょうど桜が満開を迎えていた。
テントでの寝起きは、朝晩非常に冷え込んだが、地面から直接体に余震の揺れを感じるという、得難い体験もした。

 

亘理町でのボランティア】
4日間あったので、様々な支援活動を行った。
中学の体育館に集められた、津波に浸水した家屋から持ち出された写真の仕分けに始まり、津波に襲われた民家の床板を剥がしてのヘドロの掻き出し作業等も行った。
もっとも大がかりだったのは、公民館のヘドロ除去作業で、そこでは数十人で一緒に作業に当たった。
この時の一連の経験は、何をとっても得難いものだった。
早朝のボランティアセンターでの派遣先の割り振り、チーム編成、派遣先により変わる装備、そして戻ると炊き出しの食事をごちそうになったこと、また近所の設営されていた自衛隊の大きなテント風呂に入らせてもらったこと等々
そこで知り合ったボランティアの人の中には、今でも連絡を取り合っている人もいる。
そして、この経験は、今回の熊本での活動に色々と役立つことになった。

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 ※亘理町を見渡す丘で。

【熊本支援オフの呼びかけ】
4月14日に最初の大地震、16日に本震が発生するという特異な震災となった熊本地震だが、その後の大まかな「流れ」は、東日本の時の経験から大体見えていた。
最初の数日は、とにかく大混乱だ。ここでは、人命救助が優先される。
その後一週間程度は、徐々に混乱が収まり、支援体制や避難所の体制も固まり、電気、ガス等のインフラが少しずつ復旧しはじめる。
そして、約1週間が過ぎた4月20日、最大の被災自治体である熊本市から、支援ボランティア受け入れが発表された。
熊本県のボランティア情報告知サイト
 http://www.pref.kumamoto.jp/kiji_15404.html?type=top
この情報を見て、急遽現地NPメンバーのあにゃまる、gotou氏と連絡を取り合い、支援オフの段取りを固めた。
熊本在住の両氏も被災はしたものの、深刻な被害には遭っていなかったのが幸いだった。
行きがGWに掛かると交通混雑に合うため出発・熊本入りを前日の28日に決め、翌日29日に支援ボランティアに入る計画を立てた。
それから、まずは宿の手配。本当に偶然にも市内ビジネスホテルの一部屋を予約サイトで確保できた。
次に交通の手配。
これは、まずレンタカーから行った。
というのは、東日本の経験から、支援に使える車があると、移動や支援先のマッチング(※こうした災害ボランティア活動では、現地事務局が、それぞれの条件に合う派遣先案件を割り当てる)に極めて有利なのだ。
しかし、何件か熊本市内のレンタカー店舗の電話してみても、どこもつながらない。
それもそのはず、現地では、様々な復旧ニースにレンタカー予約が殺到しているのだ。
仮に借りられたとしても、それでは現地で必要なクルマを1台奪ってしまうことになる。
そこで、福岡空港に入り、そこでクルマを調達することにした。これは、すぐに借りることができた。
さらに、往復の航空券の手配を完了し、いよいよNPでの呼びかけだ。
とはいえ、簡単な記事を書くだけなので、翌日の21日夜には、記事をアップできた。

 

【チーム編成】
NPでの呼びかけ記事への反応は予想外のものだった。
こんな地味な支援活用にも関わらず、多くの方から前向きのコメントが寄せられた。
いつもなら、大抵は、冷やかしたり馬鹿にしたコメントが少しは混じるのだが、今回だけはほとんどそうした不真面目なコメントが無かった。
そして、結果的に5名のボランティアチームが編成できたのだ。(28日のオフ会参加は7名)

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  ※活動終了後、ボランティアセンターでのショット。
「5名」というと少ないと思われるかもしれないが、東日本を経験した私にはこれがいかに「偉大な数字」かが分かる。
あの時も、実は周囲の友人・知人に声は掛けたのだが、全員「業務繁忙」を理由に断られた。
それに、皆さんもニュースで見たと思うが、最大拠点の熊本市ボランティアセンターに毎日駆けつけているボランティア希望者の数は、色々言われても高々1000名程度だ。
そう、もうお分かりですね。
この5名は、日本全国合わせて千人のうちの5人! つまり、1000分の5!なのだ。
それが、NP記事での1回の呼びかけで集まったのである。
これは、とりもなおさず、正にこの場の力だ。
日ごろからコメントを通じて意見交換し合い、その意見表明を通じてお互いのことを知り、多少なりとも信頼し合っているネットワークがあるから実現したことだと思う。

 

【復旧支援ボランティア当日】
物事がうまく回り始めると、何事も次々にうまく転がるもの。
少し早めに現地に集合した我々5名(※この時は、既に「NPファイターズ」に変身)は、多少混乱する会場の中、とんとん拍子で受付~オリエンテーションを潜り抜け、あっという間に最適の支援案件を紹介された。

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 ※ボランティアセンターでのオリエンテーションの様子
やはり、男女混合の5名チームであったこと、そして移動用のクルマを確保していたことが大きかった。
対象は、熊本城北方の高台に広がる閑静な住宅街の一角。
震災で、通行止めの道も多い中、クルマのナビがなければなかなか辿り着けない場所だった。
そこに、一人でお住いの70代女性の家の中の片づけを手伝うことになった。
改めてメンバーを紹介すると、ファイターズ戦士は次の5名だ。
 ・neko gusu(※広島在住)
 ・Okura Syozo(※大阪在住)
  ・Mirai Yuka(※佐賀在住)
 ・あにゃまる(※現地在住)
 ・田添(※東京在住)
ちなみに、受付の行列に並んでいるうちに、熊本県民テレビと毎日新聞のインタビューを受けたのは、既報のとおりである。
テレビはその日のニュースで放映され、毎日新聞は全国記事に掲載された。
※毎日記事の紹介スレッド
 https://newspicks.com/news/1530745?ref=user_713126


【復旧支援活動】
何とか見つけたお宅は、かなり古い鉄骨3階建ての住宅。
そこに、依頼者の女性が一人住まいをされている。
鉄骨造りが幸いし、建物の外形には大きな破損はなかった。
ご主人は亡くなられたようだ。
女性は、とても上品な明るい方だった。
依頼内容は震災でめちゃめちゃになった室内の片づけ、ゴミ出し、整理清掃なのだが、前日にもボランティアの支援が入ったらしく2階までの片づけは既に住んでいた。
我々のミッションは残る3階だ。これなら、じっくり安全に作業を進められそうだ。
そこで、さっそく上がってみると、室内は、まるで洗濯機でかき回されたように、物が積み重なって散乱状態だった。
床は見えないが、少しずつ整理していくと、ガラスの破片等も散乱しており、極めて危険な状態だった。
全員スリッパを拝借して履き、厚手の作業用軍手(※掌部分をゴム加工したもの)を着用して作業に取り掛かった。
一旦すべてのものをベランダに運び出す。
明らかな廃棄物や破損した家具はゴミ置き場に持っていく。
3階からの運び出しで、あにゃまるは、太腿に乳酸が蓄積した旨、しきりに訴えていた。
清掃後、床拭きをして仕上げ。
今度は、置いておく家具や布団等を並べなおして、任務完了だ。
作業中、ベランダから西方に見える山並みが素晴らしかった(※冒頭写真)
山から吹き下ろす、そよ風が心地よかった。

 

【任務完了】
途中、奥さんが買ってきてくれたほか弁とお菓子をご馳走になった。
今回の作業中、紅一点のYukaさんが、ずっと奥さんの話し相手になって、要望をよく聞きだしてくれたのが本当に助かった。
作業の一つ一つ、捨てるもの残すものの選別等、依頼に細かく対応できた。
その過程で色々なご家庭の事情も知ることになったが、一つ印象的だったのは、ご長男のことだ。
実は、片づけた3階の部屋は、その長男がかつて使っていた部屋だったのだ。
沢山の散乱物を片付け終えようとする時、ひとつの額縁写真が出てきた。
全員が制服制帽を被った集合記念写真だ。
聞けば、ご長男は警視庁に就職されて活躍中で、その任務のため、被災した親元にも帰れないと、実に寂しそうに語っておられた。
その任務こそ、この5月に開催される伊勢志摩サミットの警備活動なのだった。
そんなことも含め、やはりどのようなことであれ、チームは極力男女混成部隊であるべきだと痛感した。

 

【お別れ】
最後帰り際に、一応ボランティアの継続ニーズを奥さんに確認した。
もうほとんどやるべき作業は終わっている。
それでも、奥さんは依頼を迷っている様子だった。
そう、つかの間の賑やかさを届けた我々がいなくなるのが、とても寂しそうなのだ。
ご長男の帰郷が叶わない中、史上稀に見る震災に見舞われ、家の片付けのメドも立たず心細かっただろうと推測する。
最後は、「名前だけでも」と強く請われ、我々の名前を1通の絵葉書に書き記して、お別れとなった。

奥さんは、何度も何度もお礼の言葉をかけてくださった。
その後チームは、あにゃまるを地元に残し、佐賀へ帰るYukaさんを熊本駅に送り、最後nekogusu、Okura両氏を無事博多駅まで送り届けて解散となった。
私以外ボランティア初参加のメンバーばかりとはいえ、被災地に思いを寄せ、貢献意欲に満ちたチームのパフォーマンスは実に高かった。
そのためか、この年にして、ほとんど疲れを感じない中での活動終了となった。

 

【ボランティアへの若干の考察】
災害とは、いうまでもなく非常事態だ。
しかし、支援する側は日常にいる。
とはいえ、支援する側がその日常から抜け出せなければ、被災地支援活動は決して実現することはない。
たしかに、皆日常の仕事に忙しい。
アポイントが入っている。シフトが組まれている。上司の断れない命令がある。
家族がいて、家族の世話がある。
しかし、どうだろう。
被災とは、そうした日常一切が断ち切られ、場合によっては命の危機にさらされることなのだ。
命の危機を乗り切れば、すぐに生活の危機が待っている。
そうした時、我々が多少なりとも被災地に思いを寄せ、支援に立ち上がる気持ちを持つなら、がんじがらめの日常から、ほんの少し踏み出す勇気を持ってもいいのではないだろうか?
その勇気は、決して被災地だけのためにあるのではない。
そこで目にする光景、出会う人との交流を通じて、我々自身を振り返り、新たな関係性と世界を知る道に繋がっている。

<完>

【最終告知】 緊急招集!震災復旧支援・熊本オフ&支援ボランティア

去る4月20日に告知した熊本支援企画には大きな反響をいただき、直前の告知にもかかわらず、既に7名の方が参加を表明してくださってます。
※復旧支援企画の告知記事はこちら↓
『緊急招集! 復旧支援・熊本オフ&災害復旧ボランティア』
https://newspicks.com/news/1512275?ref=user_713126

現地では余震が続く一方、インフラはじめ復旧も急ピッチで進んでいます。

そんな中、刻々と変化する現地情勢に臨機に対応するため、この間、現地担当副幹事・あにゃまるを中心に、日々現地情報の把握に努めてきました。
ついては、最善の復旧企画となるよう、また間違っても現地の障害を作り出さないよう、当日に向けて最新情報を下記に共有しておきます。

              記

【1.交通機関の復旧状況】
 (交通手段の現況)
◆空 路:熊本空港が開港済みです
◆新幹線:既に博多~熊本間が昨日開通済みで、28日にも全面開通の見込み
在来線:JR復旧済み
◆高 速:九州自動車道が熊本手前の植木インターまで開通済みで、今月中には全面復旧の見込み
 (28日当日のアクセス)
◆熊本空港への空路が一番便利です。
◆田添は、福岡空港から車で移動します(※レンタカーを調達)。もし福岡からアクセスされる方は、3名まで同乗可能ですので、参加お申し込み時にメッセージに書き添えて下さい。
  ※その場合、福岡空港国内線第二ターミナル到着ロビーに当日12:30集合厳守
  ※実費の一部(3000円程度)をご負担下さい。

【2.28日の宿泊について】
現状熊本市内及び周辺の宿泊施設は予約満杯で、非常に厳しい状況です。
参加にあたって、宿泊手配に苦慮されている方は、FBメッセージにて一度ご相談ください。寝袋があれば、何とかなります(笑。

【3.災害復旧ボランティアについて】
◆ボランティア受付情報
 熊本周辺各自治体におけるボランティア募集告知サイトの情報が下記ページに集約されていますので、ご確認ください。
 ※『平成28年熊本地震災害に伴うボランティアの募集について』
 http://www.pref.kumamoto.jp/kiji_15404.html?type=top
◆各地の受け入れ状況
 自治体によって、ボランティアの受け入れ条件が異なります。
 条件なしで受け入れている自治体がある一方、熊本県内在住者、もしくは市町村内在住者に限って募集しているところもあります。
◆29日の支援ボランティアの参加について
 今後の参加メンバーにより、より参加者の力が発揮できるような条件にあった場所での参加を模索します。
◆災害ボランティア参加心得について
 下記の熊本県社会福祉協議会のページに、非常によくまとまった記事がありますので、ぜひご覧ください。
 ※『被災地でのボランティア活動に参加したいと考えている"あなた"へ 』
 http://www.fukushi-kumamoto.or.jp/list_html/pub/detail.asp?c_id=56&id=7&mst=0&type

【4.その他連絡手段等】
◆参加ご希望の方、ご関心を寄せて下さる方で、詳しい事前連絡やお問い合わせ、またはご相談をご希望の方は、フェイスブックから田添まで「友達申請」の上メッセージを下さい。
  ※その際「NP民」である旨明記ください。
◆その他別途連絡手段をご希望の場合は、申込時のメッセージに書き添えて下さるか、コメント欄に差し支えない範囲でご記入下さい。字数制限可能な範囲でご返事いたします。


以上。

 

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【最終告知】 熊本支援オフ&復旧支援ボランティア

去る4月20日に告知した熊本支援企画には大きな反響をいただき、直前の告知にもかかわらず、既に7名の方が参加を表明してくださってます。
※復旧支援企画の告知記事はこちら↓
『緊急招集! 復旧支援・熊本オフ&災害復旧ボランティア』
https://newspicks.com/news/1512275?ref=user_713126

現地では余震が続く一方、インフラはじめ復旧も急ピッチで進んでいます。

そんな中、刻々と変化する現地情勢に臨機に対応するため、この間、現地担当副幹事・あにゃまるを中心に、日々現地情報の把握に努めてきました。
ついては、最善の復旧企画となるよう、また間違っても現地の障害を作り出さないよう、当日に向けて最新情報を下記に共有しておきます。

              記

【1.交通機関の復旧状況】
 (交通手段の現況)
◆空 路:熊本空港が開港済みです
◆新幹線:既に博多~熊本間が昨日開通済みで、28日にも全面開通の見込み
在来線:JR復旧済み
◆高 速:九州自動車道が熊本手前の植木インターまで開通済みで、今月中には全面復旧の見込み
 (28日当日のアクセス)
◆熊本空港への空路が一番便利です。
◆田添は、福岡空港から車で移動します(※レンタカーを調達)。もし福岡からアクセスされる方は、3名まで同乗可能ですので、参加お申し込み時にメッセージに書き添えて下さい。
  ※その場合、福岡空港国内線第二ターミナル到着ロビーに当日12:30集合厳守
  ※実費の一部(3000円程度)をご負担下さい。

【2.28日の宿泊について】
現状熊本市内及び周辺の宿泊施設は予約満杯で、非常に厳しい状況です。
参加にあたって、宿泊手配に苦慮されている方は、FBメッセージにて一度ご相談ください。寝袋があれば、何とかなります(笑。

【3.災害復旧ボランティアについて】
◆ボランティア受付情報
 熊本周辺各自治体におけるボランティア募集告知サイトの情報が下記ページに集約されていますので、ご確認ください。
 ※『平成28年熊本地震災害に伴うボランティアの募集について』
 http://www.pref.kumamoto.jp/kiji_15404.html?type=top
◆各地の受け入れ状況
 自治体によって、ボランティアの受け入れ条件が異なります。
 条件なしで受け入れている自治体がある一方、熊本県内在住者、もしくは市町村内在住者に限って募集しているところもあります。
◆29日の支援ボランティアの参加について
 今後の参加メンバーにより、より参加者の力が発揮できるような条件にあった場所での参加を模索します。
◆災害ボランティア参加心得について
 下記の熊本県社会福祉協議会のページに、非常によくまとまった記事がありますので、ぜひご覧ください。
 ※『被災地でのボランティア活動に参加したいと考えている"あなた"へ 』
 http://www.fukushi-kumamoto.or.jp/list_html/pub/detail.asp?c_id=56&id=7&mst=0&type

【4.その他連絡手段等】
◆参加ご希望の方、ご関心を寄せて下さる方で、詳しい事前連絡やお問い合わせ、またはご相談をご希望の方は、フェイスブックから田添まで「友達申請」の上メッセージを下さい。
  ※その際「NP民」である旨明記ください。
◆その他別途連絡手段をご希望の場合は、申込時のメッセージに書き添えて下さるか、コメント欄に差し支えない範囲でご記入下さい。字数制限可能な範囲でご返事いたします。


以上。

 

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我々はNPに愛を告げた! ~ユーザー無視のサイト運営へ舵を切る、NP運営部へのレクイエム~

忘れもしない去る1月25日、NP運営部はオフィシャルブログ上に『NewsPicks 新コメントポリシーについて』と題する記事を発表し、匿名のみならず実名ユーザーまでも、さらには無料・課金ユーザーを問わず、今後は編集部の恣意によってコメント欄からの特定ユーザーの排除を行うと、高らかに宣言した。
http://blog.newspicks.com/entry/2016/01/25/174614

言うまでもなく、ビジネスには必ず顧客があり、ここの場合それは間違いなくユーザーだ。
もちろん、広告掲載企業も顧客だが、ユーザーがいなくなってしまえば、自動的に広告主も消滅する。
時に記事を読み、時にコメントをし、さらにはコメントを議論や対話にまで発展させる。そうしたNPサイト上での、様々な創意に満ちた活動を行う人々を顧客としてNPは成り立っている。
無料ユーザーも多いが、もちろんそうした人々も課金ユーザーの候補層という意味で、間違いなくNP社にとっての潜在顧客だ。

その顧客を、こともあろうに自らの恣意に基づいて好き勝手に差別選別し、その結果コメントを非表示にし、サイト上での活動に致命的な制限を加えると、今般NP運営部は宣言した。

奇しくも「新ポリシー非適用最終日」となった今日、この運営部方針を実証的に検証し、今後ユーザーである我々が歩むべき道を探っていきたい。

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【本記事のポイント】
①コメント表示順の怪!
 コメント表示順は、一貫して運営部に操作されている
②NP運営部の運営姿勢
 NP運営部は、過去一貫してユーザー軽視の運営を貫いている
③内輪政治にのめり込む運営部
 運営部は、なぜ内輪、ユーザー無視のスタンスを続けるのか?
 そこには、後ろ暗い明確な理由がある
④プロ制度がもたらした「砂漠」、
 プロ制度の本質は「カースト制」と「ナチズム
⑤「新コメントポリシー」の本質
「新コメントポリシー」は、ユーザー分断とナチズムへの突撃ラッパだ!
 「ミュート」による相互監視
⑥ユーザーコミュニティの生み出す価値
 「NPコミュニティ」の価値と、今日の状況
⑦ われわれはNPに愛を告げた!


1.コメント表示順の怪!
まずは、この写真を見ていただこう。
これは、まだ掲載されたばかりの記事だ。

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私のLike数10に対して、「プロピッカー」は6。
にもかかわらず、「プロ」の方のコメントが私より上位に表示され、しかも最上位の「人気コメント」に繰り入れられている。
これが、誰でも知っている、「プロ優遇表示」だ。
厳密には、私の場合は、Like数がプロの倍以上あっても、プロより上位には表示されない。

ネット一般を長年利用している人なら分かるが、この「上位表示」とは、実に重要なことだ。
ネットを情報発信、情報伝達ツールと捉えた場合、とにかく情報が多くの人の目に見えていなければ、全く何もならない。
グーグルやヤフーには、わざわざ有料で検索順位を上位表示するサービスがあるくらいだ。
要するに、ビジネス目的ならお金に換えてでも上位に表示したい。それが、ネットにおける表示順の意味だ。
NP運営部は、その極めて重要な表示順を、一貫して操作し、プロ圧倒的優位の運用をユーザーに強いている。

さらに、次の写真。
これは、いわゆる「中の人」=NP社員との相対的位置の例だ。

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この場合の表示順はさらに滅茶苦茶で、ほとんどLike数は無視で、「中の人」が上位に表示される。
恐らく、「プロ」はまだしも、この「中の人」上位表示を理解できるユーザーは、たぶんほとんどいないだろう。

では、「プロ」ではなく、アマ同士ならどうか? それが次の写真だ。

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これも、たまたま小室氏との比較例だが、他の人でも同じだ。匿名ユーザーでも同じだ。
Like数で上回っている私のコメントが、必ず下位に表示される。
これは、私以外では、あの笠川氏にしか目撃したことのない、極めて稀有な現象。
恐らく、アルゴリズムではなく、運営部が個別に手動操作してこのような「処置」をしていると思われる。
これを称して我々は、「NP内カースト制」と呼んでいる。
そう、ここには運営部による厳然たるユーザー差別選別身分制度、すなわち「カースト制」が存在するのだ。

 

2.NP運営部の運営姿勢
なぜ運営部はこのようなことをするのか?
それは、私には分からない。
運営部に知り合いもいなければ、コンタクトを取ったことも、連絡を取ったこともないからだ。
私からも連絡しないし、向こうからも連絡はこない。
なので、正式名称が運営部なのかどうかも知らない。
ここで「運営」とよく呼ばれているので、仮にそう言ってみているだけだ。

ただ、はっきりしていることはある。
運営部とは、ユーザー(ちなみに、私の場合は課金&実名ユーザー)に対して、このようなことを平気でする組織ということだ。
つまり、ユーザーを人格を持った対等な人間とは、基本考えてはいない。
自分たちの好きなように引き回す。
相手の人格等、まったく想定外なのだろう。

その証拠に、たびたびNP上で起こる様々な問題に対する彼らの対応を思い起こしてみればいい。
例えば、ユーザー間のちょっとしたトラブル。
あるいは、運営方針(例えば、「プロ登用」等)に対する多くのユーザーからの苦情。
そうしたことは頻繁に発生しているし、コメント欄にも多数散見される。
しかも、コメントをよく読むと、そのたびに運営部に別途連絡を入れている人もちょくちょく見かける。
しかし、そうしたユーザーからの要望や苦情に、運営部からなにか見解が表明されたこと等、これまで一度もない。

例えば、プロピッカー制度導入にあたっては、当初「公募」であると告知されていた。
しかし、公募を通じて「プロ」採用された人は結局一人も発生しなかった。
つまり、告知時と登用時で彼らはルールを180度変更しているのだが、それについて多数のユーザーが疑問を呈しても、今日まで運営部は一度もそれに関する公式見解等は表明していない。
さらに「プロ」については、同じ「プロ」の中からも制度への疑問が再三提起されているが、これについても運営部は、だんまりを決め込んだままだ。
要するに、ユーザーに相対する姿勢など、彼らには欠片も存在しない。

 

3.内輪政治にのめり込む運営部
ところがだ、そんなユーザー無視の運営部が、実はごく一部のユーザーとは頻繁かつ緊密にコンタクトを取り合っているらしい。
運営部内に知人がいるというあるユーザーから、こんな話を聞いたことがある。
その人は、ある記事へのコメントを通じて、サイト上で別ユーザーと軽い批判的なやりとりをしたらしい。
そうしたところ、運営部のあるスタッフから、公式にか私的にかは分からないが、こういう趣旨の連絡が来たと言う。
「あなたの名前を出してコメントで批判している人がいるが、なんなら『利用規約違反』ということにして、コメントを削除しましょうか?」
実はこれについては、もう一方の当事者であるユーザーにも確認したのだが、その人のところにはそんな連絡は何も来ていない。「利用規約違反」と言いながら、当の「違反者」に連絡しないとは、一体どういう了見なのだろうか?
つまり、運営部は、予め自分たちを知り合いのユーザーに対しては、その人の立場を過剰に慮った連絡を緊密に取り、格別に優遇しているということだ。
ほぼ同様の話は、別件でも聞いたことがある。

さて、この事実から、なにか連想できないだろうか?
そう、先月ここにも掲載されたNP編集長の佐々木氏は、その講演の中で次のようなことを述べている。
https://newspicks.com/news/1331111?ref=user_713126
「ぜひ、プロピッカーの方々は同じNewsPicksファミリーのようなかたちで、いろんな面でコラボしていきたいと思っております。例えば、我々がエージェントとしてプロピッカーの方々をプロデュースするとか、書籍を出していただくとか、イベントに登壇していただくとか、もしくはみなさんと一緒に作っていただくブランドデザイン広告にもご登場していただくとか、そういったかたちで、プロピッカーの方々との協力を深める。」
つまり、自分たちが金蔓になりうると判断した「プロ」には、コメント契約だけでなく、どんどんビジネスとしての付き合いを深めていくと宣言している。
さらに、先日の『NewsPicks 新コメントポリシーについて』では、その見解を発展させて、次のようなことが書かれていた。
「またこの変更とあわせて、一部の実名ユーザーには「プロピッカー」へのスカウトや、NewsPicks編集部が利用している入稿システムを解放し簡単に記事やオピニオンを投稿できるようにするなど、実名での情報発信をより強力にサポートする仕組みを提供して行く予定です(2016年中に順次実施予定)」
つまり、自分たちが「仲間」と考える特定のユーザーとの関係だけは、どんどん個別に深めていくと明記されている。

これだけ見ると、見ようによってはポジティブなことにも見えるが、実はそのユーザー軽視の裏では、特定の「仲間」「知合いユーザー」との間だけでは緊密なコンタクトが重ねられているわけだ。一般ユーザーからは、まったくあずかり知らないところで。

この一連の事実を検討すると、すでに彼ら運営部が、まともなビジネスとしてのサイト運営を行う意志があるのかが、非常に疑わしい。
というのも、このような行為の延長線上に、とてもNP社の収益拡大や成長が望めるとは思えないからだ。
思うに彼らは、ごく私的かつ恣意的な自己満足の運営に陥りつつあるのではないだろうか?

 

4.プロ制度がもたらした「砂漠」
「プロ制度」とは、一体なんなのだろうか?
日々様々なユーザーから提起され続けるこの素朴な疑問に、運営部はなんら答えようとせず、無視し続けている。
100人いるという「プロ」の中で、ある程度の頻度でコメントをする人は、ごく僅かだ。
さらに、その中で批判に耐えうる一定の価値あるコメントをする人は、さらに一部。
そして、その最後の一部の「プロ」とは、「プロ制度」導入以前から熱心にコメントをしている人たちだ。
ここに、「プロ制度」への根本的な疑問はある。

にもかかわらず、上に見たように、「プロ」コメントは無条件に上位表示される。
多くの非「プロ」ユーザーのコメントを押しのけてだ。
それだけではない。
「プロ」には、それだけの理由で、多くのユーザーが「フォロワー」として割り振られる。
このNP上で、例えば1000人のフォロワーを獲得するのは、大変なことだ。
毎日かなりの量のコメントを、何か月も書き込み続けなければならない。
ところが、昨年10月に「プロ」登用された人々には、その月のうちに、何千何万というフォロワーが付与されていた。
それによって、「プロ」が行ったコメントは、その質の良否に関わらず、そのフォロワーのタイムラインに無条件いばらまかれることになっている。
もちろん、「プロ」のコメントが多くのユーザーに晒される時間だけ、非「プロ」のコメントが閲覧される時間は、トータルとして奪い続けられているわけだ。
「プロ」制度がもたらしたものは、そんな砂漠のような世界だった。

 

5.「新コメントポリシー」の本質
しかし、砂漠すらまだ良かったという、新たな風景が今現実になろうとしてる。
そう、「新コメントポリシー」だ。
砂漠なら、まだ歩いてオアシスを探せば水が飲める。いわば、努力量の問題とも言える。
ところが、新コメントポリシーは、そんな甘い世界ではない。

運営部の恣意と独断によって、コメントが排除・抹殺されるのだ。
「新コメントポリシー」は、主として3つのロジックで成り立っている。
①「実名でのコメント投稿をユーザーの皆様にお願いしたいと考えております。」
②「匿名や通称名であっても、NewsPicks運営側が承認したユーザーのコメントは表示される場合があります」
③「実名であってもミュートされている数が多いユーザーのコメントは、フォロワー以外には表示されなくなる場合があります」
この間のユーザーの反応を見ると、主に「実名か匿名か」だけが、多くの人に意識されている。
しかし、上の3つをしっかり読めば、その本質は全く異なる。
そう、要するに、運営部の恣意と独断で何でもできる、そういう宣言なのだ。
「運営の承認」も、「ミュートの確認」も、一片の透明性もありはしない。
すべて情報を持っているのは運営部だけであり、ユーザー側には判断の根拠やエビデンスは何も見えないのだ。

さらに恐ろしいことは、「ミュートされている数が多いユーザー」というロジックだ。
仮にこれが理屈通りに運用されるとすれば、ユーザー間での“いじめ”や嫌がらせは日常茶飯事のようにはびこることになるだろう。
そう、自分の気に入らない人物は、何人かで結託してミュートすれば抹殺できるからだ。
これは、既に健全なビジネスでもなんでもない。
人々の心に不信感をばらまき、正常な関係を分断する支配・管理手法、即ちナチズムだ。
恐らく、ここに運営部の真の狙いはあるのだろう。
というのも、上にも見てきたように、ユーザー間の関係を分断し、自分たちの「仲間」だけを優遇するサイトを作り上げようとする彼らの姿勢は、一貫しているからだ。

 

6.ユーザーコミュニティの生み出す価値
ところで、ここにしばらく居ついているユーザーなら、NP上に生息するキャラ達のことを、既に何度も目撃しているだろう。
例えば、ナルタント、まれにゃん、kaikeiといった。
彼らは、一種の天才だ。
日々のコメントが優秀なだけではない。ネット上でのキャラ作りの天才と言っていいだろう。

もし、彼らのことを知っているなら、少し考えてみてほしい。
例えば、正社員として採用し、高額の年俸を払い、日々コメントを書かせる。
果たして、どんな高額の報酬を支払えば、彼らのようなクオリティの仕事をしてくれるだろうか?
1000万だろうか? 3000万だろうか?
いや、1億払っても出来ないものはできないだろう。
現に、現状のNP編集部に、そんな才能を持った人材は一人もいない。

とすれば、彼らの才能を生み出している力はなんだろうか?
そう、言うまでもなく、それは、この場の力。
ここの集う人々の繋がりであり、コメントやリアルを通じた交流だ。
それが、時を経るに従い柔らかいコミュニティとなり、彼らキャラ達の「活躍」を生み出しているのだ。

ところが、「新コメントポリシー」によって、運営部は、その力の源泉を破壊し断ち切ろうとしている。
たしか、昔読んだイソップ童話にこんな話があった。
肉をくわえた犬が、橋の上から水面に映った自分の姿を見て、そっちの犬の肉の方が大きく見えた。
それで、その肉を奪うために、吠えて脅かしてやろうとした瞬間、自分の肉を川の中に落として失ってしまうのだ。

「新コメントポリシー」によって、ユーザーコミュニティの破壊を目論む運営部は、まさにイソップ童話の犬だ!

 

7.われわれはNPに愛を告げた!

我々はこれまで、日々書きつらねたコメントを通じて、NPに対して、たしかな愛を告げてきた。
そのことには、自信を持っていい。
明日からはじまる、暴虐の嵐。試練の2月。
もし、そこを生き抜くことが出来たら、また笑顔で語り合おうではないか!


「君はバリケードが三日しか続かないことをもって、国家と人民の共犯関係を告発する。しかし、ちがう。そうではない。バリケードが三日しかもたないのは、蜂起した群集が我身可愛さで秩序に逃れるからではない。人間がそこで、弱い眼には耐えられない真実の輝きに眼を灼いてしまったからなのだ。
 エジプト、ギリシャペルシャ、そして日本にさえも、太陽こそ至高の神と真実の象徴であると信じる人々が存在した。けれども、誰が太陽の輝きを果てしなく凝視し続けうるだろうか。太陽の白熱する光球を直視する者は、ついに眼を灼かれて昏倒する以外にない。真実を見続けうるためには、人間の眼はあまりに弱すぎるんだ。バリケードの経験は、燃えあがる真実であるからこそ三日しかもちこたえられない。
(※中略)
そう、希望はある。身を捨てて、誇りも自尊心も捨てて、真実を、灼熱の太陽を、バリケードの日々を生きることだ。太陽を直視する三秒間、バリケードの三日間を最後の一滴の水のように深く味わいつくすことだ。僕達は失明し、僕達は死ぬだろう。しかし、恐れを知らぬ労働者たちが僕達の後に続くことだけは信じていい。
 叛乱は敗北する。秩序は回復される。しかし、叛乱は常にある。秩序は叛乱によっていつかふたたび瓦解するのだ。永続する敗北それ自体が勝利だ。三日間の真実を生きつくす百世代の試みの後に、いつか、そうだ、いつか強い眼を持った子供達が生まれてくるようになる。そうして彼らは、太陽を凝視して飽くことを知らず、僕たちの知らない永遠の光の世界に歩み入っていくことだろう」
笠井潔作、『バイバイ・エンジェル』)

NPで振り返る、2015年Ⅳ~“リテラシー”編~

大分さぼってしまった。
すでに、年末ぎりぎりだ。

正直に白状すると、毎日のニュース、コメント含めて膨大な情報が大河のように流れ続けるNPを、年間通じて振り返る等ということは容易ではなかった。いや、不可能だ。

要は、膨大な情報を絞り込む“視点”が重要だが、これを定めるのがまた難しい。
そこでとりあえず、絞り込みキーワードを思い切って“リテラシー”としてみる。

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◆“リテラシー”とは?

リテラシー、簡単に言うと、基礎知識だ。
ニュースを理解するに当たって、その分野のリテラシーが不十分だと、実に効率が悪い。
いや、それだけでなく、まったく頓珍漢な理解をしてしまう。
さらには、頓珍漢なコメントをしてしまう(笑。 これが、恥ずかしい。
もっとも、多少調子のはずれたコメントくらいなら、誰でもやっている。それに、サイト自体がそれを前提に成り立っているとも言えるので問題ない。
そう、それはNPにおいては想定内、いやむしろサイト活性化要素でもあるのだ。

しかし、リテラシーになんら進歩がないというもの、またまずい。
成長のない人生なんて一体なになるのかという、哲学的問題が発生してしまう。
フローのコメントをナレッジとしてのストック増大につなげるのでなければ、それは単なる刹那的快楽主義だ。
日々膨大に流れゆく情報を受け止める度量、それは差し当たりリテラシーとしての知識基盤だ。
我々NP民が、これも日々膨大に投入するNP閲覧&操作時間を、いかにしてニュースから知識を吸収し、自己の知見量を増大させる豊かな時間とするか
リテラシーをキーワードに、考えてみたい。

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リテラシー不足は、コメントにどう影響するか?

今年頻繁に登場した記事の例として、「労働時間」「働き方」をテーマとするものがある。
そこには、どんな問題が含まれるか?
単純に労働時間問題に始まり、ブラック企業等のコンプライアンス問題とつながって、個々人のキャリア形成への影響、さらには生産性経営効率の問題へと波及する、なかなか根深い問題だ。

とりあえす、10/26掲載、「こんなに働く時間を減らして、日本企業は世界で勝てるのか?」という記事を見てみよう。

https://newspicks.com/news/1219891?ref=user_713126

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こういう記事が出ると、必ず「労働時間は短い方がいい」、「いや、長くても問題ない。いい成果を出せるかどうかだ」といったコメントが乱立する。
立場は違えど、ピッカーの大勢は主に「生産性」もしくは「仕事のやりがい」に着眼している。

しかし、そもそも議論の前提となる「労働時間」とは一体何か、どう規定されるのかという基本的な点になると、多くの人が途端に怪しくなってくる。
そこが、リテラシーだ。

労働時間については、労働基準法で次のように決められている。
 ①週40時間以内(週休2日なら1日8時間) ※これを超えてはならない。
 ②36条協定という労使協定を結べば、残業命令も可能
 ③残業させたら、一定の割増を行った時間単価で、時間外労働手当の支給が必須
 ④しかも、残業時間は厳密に管理・算定することが必須
 ⑤残業させられる時間にも上限があり、例えば1か月なら40時間以内が原則

つまり、どんなに高尚な議論を展開しようが、上の前提条件を踏まえていなければ全く無効。実現性のない空理空論に過ぎなくなってしまう。

 

◆「ブラック企業」とは?

労働法絡みでは、ワタミはじめとしてブラック企業関係のニュースも多かった。

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ブラック企業の求人は門前払いに 来春からハローワーク』(※12/26掲載)
https://newspicks.com/news/1318278?ref=user_713126

職安=ハローワークが、いわゆるブラック企業に対して、その求人掲載を停止する措置を取るという内容だ。
こういう記事が出ると、コメント欄には、ほぼ必ず次のようなコメントが乱立する。

 -「そもそも、“ブラック”の基準って、なんなの?」
 -「ブラックの定義が曖昧なまま、こんなことしていいのかな?」
 -「闇雲にブラック企業っていうレッテル貼るのは、よくない」

キーワードの概念をきちんと見極めようとする姿勢それ自体は、極めて尊い。
しかし、この場合は、はやりリテラシー不足が影響している。

世に流通する「ブラック企業」の定義とは、法令違反が常態化し、組織の体質として定着している企業ということだ。
類義語の「ブラック職場」「ブラック労働」「ブラックバイト」も同様。
ここで、なぜ定義を問い直してしまうかと言えば、定義の根幹である“法令”そのものに自信がないからだ。
その軸をしっかり持っておけば、そこからの派生語である「ブラック」(つまり、半法令)も、迷わず使える。

もっとも、たしかに「ブラック企業」自体、法令に定められているわけでない。
この場合は、記事内で「違法な長時間労働や残業代を払わないといった違反を1年間に2回以上、労働基準監督署から是正指導されるなどした企業」と定義が補足されているので問題ない。

しかし、そうでない場合もあろう。

そういう場合は、法令知識を日ごろから活用してニュースを見たり、自己の見解を表明することで培われる“常識的感覚”が重要になる。
人の態度として、法令に書かれていることを参照しなければ何も判断できず何も行動できない、というのが実は一番まずい。
判断基準や定義について、可能な範囲で法令的な検証を行いながらも、最終的にはそれを含めて自分の中の“常識的感覚”で主体的に判断する。これが、大人の態度というものであろう。

以上が、まずは初歩の初歩ということになる。
つまり、最低限のリテラシーがあれば、公衆の面前で取り返しのつかない恥をかいたり、ピッカーとしての信頼性棄損だけは回避できる。

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リテラシーの拡大

では、リテラシーを押さえるスタンスを持っておくと、他にどんなメリットがあるか?

例えば、上に列挙した労基法の基本事項の中の⑤、残業時間の上限について。
これは、労基法そのものではなく、厚生労働省が出している「指針」という文書に書かれている。
では、この「指針」とは何か?

これを理解するには、そもそもわが国の法制の構造を理解する必要がある。
労働基準法は、言うまでもなく労働や雇用に関する基本法、法律そのものだ。
ところが、大体において法律自体には、具体的なことがあまり書かれていない。
それを補うのが、政府が定める「政令」。労基法の場合は、労働基準法施行令だ。
さらにその下には、管轄省庁が定める「省令」があり、労基法の場合は、労働基準法施行規則という。

しかし、ここまで3つもの法規範の階層を積み重ねても、現実社会で起こる事象に対応するには不十分なのだ。
そこで、管轄省庁からは、判例等を踏まえて、現実社会で頻繁にトラブル等が起こっている事象への「解決策」や補足的な規範を、局長級による「通達」という形でたびたび発信している。
ところが、通達はあまりにも沢山あり過ぎて徹底しないので、時々それを体系的に整理して「指針」という文書にすることがあるわけだ。
残業時間の上限に関わる基準は、まさにその「指針」に書かれている。

整理すると、法制とは、法律⇒政令⇒省令⇒通達⇒指針の体系ということになる。
なんだか極めてややこしい印象だが、デメリットだけではない。
法令がこういうふうに現実社会を規制しているという構造は、他の法律分野でも同じだからだ。
要するに、労基法のリテラシーをモノにすれば、わが国の法体系の構造を一緒に理解できる。つまり、非常に大きな“応用力”を手に入れることにつながるわけだ。

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◆経営、企業組織へのアプローチ

VW東芝で起こった組織ぐるみの不正、これも、今年のニュースを振り返るときに忘れられない事件だ。

ここに至って、既に東芝は会社としての存続が怪しくなってきている。
※『東芝 大規模リストラ 5500億円の最終赤字見通し』(12/21付)
https://newspicks.com/news/1310369?ref=user_713126

既に、8月以来、東芝については70以上コメントした。
一方、問題の広がりとしては、遥かにVWの方が大きいものの、こちらはここへ来て立ち直りの気配だ。
※『独VW、不正再発防止策導入へ 取締役の関与は認められず
https://newspicks.com/news/1293814?ref=user_713126
VWの経営層や、さらに黒幕のEUは巧妙に追求を逃れ、既に立ち直りに向けて着々を動き出している。
やはり、「巨悪」とは、いつの世にも安泰のもののようだ。

これは、あまりにも大きな事件であるため、もちろんそこに孕まれる問題も単一ではないが、その中でも格段に大きな要素は、会社という組織の統治=ガバナンスに関わる問題だ。
一体会社はどう統治されるべきか、不正はいかに監視すれば防げるのか、そもそも企業組織を統治するとはいかなることで、どのようなルールの下に行われているのか?
問題は深く、これをトータルに理解するには、かなり幅広いリテラシーが必要となる。

企業統治を思い切り単純化すると、次の2つの機能に分けることができる。

 ①戦略立案・事業推進と業績向上(※要するに、普通の意味での経営)
 ②経営監視・監督(※つまり、経営への牽制機能だ)

この二つの要素が不可分一体に結びつくことで、企業統治、コーポレート・ガバナンスは成り立っている。

さて、大分長くなったので、後は次回以降にしたい。
ただ、いつまでもだらだら続けも意味がないので、「2015振り返り」に関しては、次の2テーマで完結と予告しておく。
もっとも、年を跨ぐことは、すでに必定であろう(笑。

 振り返り5回目:『人材管理からコーポレート・ガバナンスへ』
 振り返り6回目:『企業経営と知識マネジメントの彼方へ』

 

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